インプラント周囲炎とは、インプラント治療を行った周囲の歯肉に炎症が起きることを指します。
インプラントは、虫歯や歯周病などで失われた歯に新しい人工歯を埋めこむ治療です。永久歯は一度失われると元通りにすることは困難なため、歯を失ったあとはインプラントを行って人工的に「噛める歯」を手に入れる必要があります。
万が一歯がなくなった部分をそのままにしていると、周囲の歯が倒れ込んできたり、噛み合わせがずれたり、ものが噛めなくなるだけではなく、口を開けたときに周囲から歯がないことを指摘される可能性があります。しかしインプラント治療を実施すれば、歯がきれいに生え揃った状態となり白くて美しい歯として、見栄えも良くなります。
この記事では、インプラントの構造や仕組みを踏まえながら、インプラントの歯周病である周囲粘膜炎、周囲炎と、普段から意識しておきたい予防についてご紹介します。
インプラントの構造はどうなっている?
インプラントの構造は、歯根の役割を果たす「人工歯根(フィクスチャー)」と、中間地点に位置するアバットメント(支台)、食べものなどを噛む「上部構造(歯茎から見える歯の部分)」の3つで構成されています。
インプラントの本体はもっとも奥深くに埋め込む人工歯根の部分で、アバットメントや上部構造を順番に組み立てていくと、歯としての見た目と機能が完成します。
インプラントも歯周病になる原因
歯周病(インプラント歯周炎)とは、歯(インプラント体)と歯肉の間に歯垢が溜まり、細菌が同じ場所にとどまって炎症を起こし、骨を溶かす細菌性のトラブルです。
インプラントは歯根から上部構造まですべてが人工物で構成されていますが、本来、天然の歯根に存在しているはずの「歯根膜」と呼ばれる組織が存在しないため抵抗力が弱まり、細菌に感染しやすくなります。
歯がなくなった場合でも、新たにインプラントを埋入することで歯周病にかかるおそれがあるため、埋入後もセルフケアをこまめに行い、定期的に歯科医院でのチェックを行ってください。
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